◆伝統的な農業や文化風習・生物多様性を守り、未来へ継承していくために―
『世界農業遺産』、正式名称を「世界重要農業遺産システム(Globally Important Agricultural Heritage Systems:GIAHS)といいます。
世界の農林水産業の振興を司るFAO(国際連合食糧農業機関、本部:イタリア・ローマ)が認定をし、農業のシステムを評価する仕組みです。
社会や環境に適応しながら何世紀にもわたり発達し、形づくられてきた農業上の土地利用、伝統的な農業とそれに関わって育まれた
文化・景観・生物多様性に富んだ、
世界的に重要な地域を次世代へ継承すること』を目的とし、2002年(平成14年)に創設されました。
◆「世界農業遺産」の認定例
2023年7月現在において、「世界農業遺産」の認定数は、24ヵ国78地域です。日本では15地域が認定されています。静岡県は当推進協議会構成市町の区域及びわさび栽培地域が認定されており、日本で初めて世界農業遺産の認定地域を2つ持つ都道府県となりました。
日本の世界農業遺産認定地域
●新潟県佐渡市が申請した
「トキと共生する佐渡の里山」が、世界農業遺産に認定。
●同じく平成23年6月、能登地域4市4町(七尾市、輪島市、珠洲市、羽咋市、志賀町、中能登町、穴水町、能登町)
で構成する能登地域GIAHS推進協議会が申請した
「能登の里山里海」が、世界農業遺産に認定。
共に日本初。
トキと共生する佐渡の里山
能登の里山里海
●静岡県掛川地域4市1町(掛川市、菊川市、島田市、牧之原市、川根本町)で構成する静岡の茶草場世界農業遺産推進協議会が
申請した
「静岡の茶草場農法」が、世界農業遺産に認定。
●熊本県阿蘇地域1市3町3村(阿蘇市、小国町、南小国町、産山村、高森町、南阿蘇村、西原村)で構成する阿蘇地域世界農業遺産
推進協議会が申請した
「阿蘇の草原の維持と持続的農業」が、世界農業遺産に認定。
●大分県国東半島宇佐地域4市1町1村(豊後高田市、杵築市、宇佐市、国東市、姫島村、日出町)で構成する国東半島宇佐地域
世界農業遺産推進協議会が申請した
「クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環」が世界農業遺産に認定。
静岡の茶草場農法
阿蘇の草原の維持と持続的農業
クヌギ林とため池がつなぐ
国東半島・宇佐の農林水産循環
●岐阜県長良川上中流域4市(岐阜市、関市、美濃市、郡上市)で構成する清流長良川の農林水産業推進協議会が申請した
「清流長良川の鮎~里川における人と鮎のつながり~」 が、世界農業遺産に認定。
●和歌山県みなべ・田辺地域1市1町(みなべ町、田辺市)で構成するみなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会が申請した
「みなべ・田辺の梅システム」 が、世界農業遺産に認定。
●宮崎県高千穂郷・椎葉山地域3町2村(高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町、諸塚村、椎葉村)で構成する高千穂郷・椎葉山世界
農業遺産推進協議会が申請した
「高千穂郷・椎葉山の山間地農林業複合システム」が、世界農業遺産に認定。
清流長良川の鮎
~里川における人と鮎のつながり~
みなべ・田辺の梅システム
高千穂郷・椎葉山の
山間地農林業複合システム
●宮城県大崎市、色麻町、加美町、涌谷町、美里町(1市4町)の自治体、関係団体で構成する大崎地域世界農業遺産推進協議会が申請した
「持続可能な水田農業を支える「大崎耕土」の伝統的水管理システム」が世界農業遺産に認定。
持続可能な水田農業を支える「大崎耕土」の伝統的水管理システム
●静岡県静岡市、浜松市、富士宮市、御殿場市、下田市、伊豆市、東伊豆町、河津町、松崎町、西伊豆町、小山町(6市5町)の自治体、関係団体で構成する静岡わさび農業遺産推進協議会が申請した
「静岡水わさびの伝統栽培」が世界農業遺産に認定。
●徳島県三好市、美馬市、つるぎ町、東みよし町(2市2町)の自治体、農協等で構成する徳島剣山世界農業遺産推進協議会が申請した
「にし阿波の傾斜地農耕システム」が世界農業遺産に認定。
静岡水わさびの伝統栽培
にし阿波の傾斜地農耕システム
●山梨県峡東地域3市(山梨市、笛吹市、甲州市)で構成する峡東地域世界農業遺産推進協議会が申請した
「峡東地域の扇状地に適応した果樹農業システム」が、世界農業遺産に認定。
●滋賀県内19市町などで構成する琵琶湖と共生する滋賀の農林水産業推進協議会が申請した
「森・里・湖(うみ)に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム」が、世界農業遺産に認定。
峡東地域の扇状地に適応した
果樹農業システム
森・里・湖(うみ)に育まれる
漁業と農業が織りなす琵琶湖システム
●兵庫県美方郡香美町、新温泉町(2町)の自治体、たじま農業協同組合など関係団体23団体で構成する「美方郡産但馬牛」世界・日本農業遺産推進協議会が申請した
「人と牛が共生する美方地域の伝統的但馬牛飼育システム」が、世界農業遺産に認定。
●埼玉県川越市、所沢市、ふじみ野市、入間郡三芳町(3市1町)の自治体、埼玉県川越農林振興センター及びいるま野農業協同組合で構成する武蔵野の落ち葉堆肥農法世界農業遺産推進協議会が申請した
「大都市近郊に今も息づく武蔵野の落ち葉堆肥農法」が、世界農業遺産に認定。
人と牛が共生する美方地域の伝統的但馬牛飼育システム
海外の世界農業遺産認定地域
チロエ農業
チリ
アンデス農業
ペルー
イフガオの棚田
フィリピン
サフラン農業
インド
マサイの伝統
タンザニア・ケニア
マグリブのオアシス
アルジェリア,チュニジア
水田養魚
中国
万年の伝統稲作
中国
トン族の稲作・養魚・養鴨
中国